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わたしたちにできること

                   2004.11

 前回のミュージックランドミニコンサートが終わったとき、知り合いと話したことです。
 私たちは音楽を続けてきたけれど、ポリーニでもアルゲリッチでもない。
でも、こんな私たちでも自分のできる範囲で、周りの人たちに音楽の楽しさを伝えていけると思う。
何にもしなければ何も伝わらないもの。有名な音楽家の演奏はもちろんすばらしいけれど、
それは誰もがわかっているけれど、誰もが何万円も払ってそれを聴きに行けるわけじゃない。
遠くのホールに行くのはしんどい人もいるし、夜の外出はできませんという人だっている。
そういう人たちが、ちょっと足を運んで気楽に聞いてみたら、けっこうよかったわ、
と思っていただける、そんな活動だってあるよね、そういう話でした。
 音楽の道を選びたいと思い、音大に進み、卒業し、ずっと音楽に関わってきました。
そのことだけでも本当に幸せなことだと思います。
ちっちゃい子どもたちにピアノを教えるのは、たまにたいへんと思うこともあるけれど、
かわいい人たちに会えるのは本当に楽しみです。
学業と部活動、その上塾と大忙しの中でピアノを習っている中高生たちには、
レッスンというよりエールを送りたいと思うし、
おとなになってご自分のペースでこつこつ練習してレッスンにいらっしゃる方には、
私のほうが頭が下がります。
 そしてコンサート。一緒に活動してくれる仲間はやはり超一流ではないけれど、
私たちが心を合わせて作る音は、たぶんけっこうなかなかのものでは、と自負しています。
一人ではできないこと、あるいはビッグネームがそのときだけ集まってぱぱっと合わせてもできないこと、
仲間とだからできることもあると思っているのです。それがアンサンブルというものです。
 あらゆる音楽に精通していてたくさんのコンサートに通うクラシック通に選ばれると
いうことも名誉なら、今まで「クラシックのコンサートなんて、つまらなそう」と思っていた人が
「意外と楽しいじゃない」と思って聞いてくださることだって、この上ない名誉です。
 前は独身だったメンバーの中には、結婚し子どもも産まれ、
それでもやりくりしながら一緒に演奏してくれる人もいます。
そうなって、お客さまの気持ちもよくわかる気がする、とも言ってくれます。
私たちの力の限りを尽くして幸せなひとときを創るべく、
まだまだ勉強、がんぱらなくちゃと発奮する日々です。

いろいろ考えあぐねて、
自主コンサートとしてのミニコンサートシリーズは
今回12月で一応の最後ということになりました。
会員として皆勤賞のようにご来場いただいた方、
わいわいコンサートから始まって、アフタヌーンコンサートに移行した方、
そして、お子さんが大きくなってもご自身の楽しみとしていらしてくださる方、
みなさまに支えられての定期公演でした。
15年近いシリーズを閉じてしまうことには逡巡もありましたが、
あきらめた・見限ったのではなく、拡がってきたから、というのが、
区切りをつける大きな理由です。
私たちががむしゃらにがんばらなくても、近隣でのコンサートのチャンスが激増しました。
今回の公演が終わったら、少し充電してよりパワーアップして、
各地での新しいお客さまとの出会いをすばらしいものにしていきたいと考えています。

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