音楽の効用

                   1997.3

最近、音楽のさまざまな利用法が紹介されています。
クラシック音楽を聴かせることによっておいしくなる、という話があります。
レストランのBGMではありません。よくあるのは、お酒やワインに音楽を聴かせながら
発酵させる、埼玉県でもモーツァルトを聴かせた日本酒が作られています。私たちも、
その発売を記念した酒蔵コンサートに出演させていただきました。おみやげにいただいた
お酒は、モーツァルトのおかげか、確かにとてもおいしかったです。また、肉牛に
音楽を聴かせながら育てる話、こちらは相手も生き物なので、もしかするとリラックス
したりストレスを解消したりして、牛の精神状態が味に影響するのでしょうか?
先日見つけたのは「モーツァルトを聴かせた紅茶キャンディ」。これにはびっくり。
『原材料に音楽を聴かせることで、水分の分子が振動のため細かくなって、なめらかで
おいしくなる』と書かれています。チャンスがあったら、ぜひ試してみてください。
さて、「わいわいコンサート」にご来場いただいたお客さまはほぼ2つのグループに
分かれます。「多少騒がしくても、子どもと一緒に生で音楽を聴けてよかった。」と
思ってくださるグループ。これは、趣旨に賛同してくださる好意的な方と、自分の
子どもが元気のあり余っているタイプの方。もう一方は「いくら子ども連れだと
言ってもうるさすぎる。静かにさせたり、音楽を聴く最低限のマナーは親が教えて
いくべきなのに。」と感じるグループ。こちらは、まじめな方、自分の子どもが
比較的おとなしくじっとしていられるタイプの方に多いようです。
私たちにしてみれば、どなたも大切なお客さまにかわりはなく、みなさまに楽しんで
いただきたいのですが、なかなかうまくいきません。日本語のわかる子には
「静かに聴こうね」と声をかけ(もぞもぞ・こそこそ・多少のお話は大目にみて
あげたいな)、赤ちゃんがむずかったら立ってあやしたり、あまり泣いた時は
(まわりのお客さまのために)しばらく外に出る、というところが私たちの
希望でしょうか?それでも、最近のリリアでの「わいわいコンサート」は、
以前に比べて格段に静かになったと感じます。4才を過ぎて静かなお子さんは
「アフタヌーンコンサート」のぐっと落ち着いた雰囲気の中で、いろんな曲を
どんどん聴いてほしいな、とも思います。2才の時は泣き叫んでホールから
連れ出されていたのに、5才になったらお友だちと並んでちんまり座り、
にこにこ最後まで聴けるようなった女の子もいます。
もちろん音楽が始まったら静かにじっくり聴く方がいいに決まっています。
でも、まずはお母さんに楽しんでいただきたいのに、小さい子を連れて、
100%お行儀よくさせようと力みすぎてしまっては、ゆったりと音楽にひたる
どころか、かえって気疲れして帰宅することにもなりかねません。子どもは、
じっとして座っていなくても、お母さんに話しかけても、隣の子とふざけても、
体全体で音楽を受け止めています。ホールに響く音が子どもの中にしみこんで、
心の奥のほうにある大切な何かの芽を育てていくのだと思います。
人間以外にも多くの効き目のある音楽ですから、生の演奏が人間にリラックスした
幸福な時間を与えてくれるのは当然、子どもだって、いや、しなやかな心を持つ
子どもだからこそ、クラシック音楽を心の栄養にして、一段と成長してくれるに
違いありません。そう思ってミニコンサートを始めました。
そんな演奏をできたらと願っています。

              事後報告         2002.11.25

音楽を聴くことがすてきなら、演奏することはもっとすてきです。
ピアノの先生をしていて、一人一人の生徒さんたちが、本当にそれぞれの
「音」を持っているな、と思います。
それを大切にのばしてあげたい。
音のシャワーを浴びること、自分の音で表現すること・・・
どちらも楽しんでほしいな。


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