子どもと一緒にコンサートを楽しむこと

先日、上の二人を連れて、市の親子映画鑑賞会に行きました。
まずびっくりしたことに、チケットを渡すとビニール袋を配られました。どうもこれにゴミを
入れてくださいということのようです。席に着くと、まわりの子どもたちばかりかおとなまで、
お弁当やお菓子を広げて食べ始めました。でも、ホールの入り口には「ホール内での飲食は
ご遠慮ください」という立て札が立っています。食べ物や飲み物を持っていない人も、ロビーの
売店に並んでジュースや袋菓子を買っています。うちの子も「何か飲みたい」「みんな食べてるよ」と
せっつきます。「食べるのはロビーでね。」という約束でジュースを買い、始まるまでの時間に急いで
ロビーで飲ませました。鑑賞会の始まりはアマチュアの吹奏楽団の演奏でしたが、その演奏中も
たくさんの人が食べたり飲んだりし続けでした。
乳幼児を同伴できるコンサートを始めたとき、お母さんたちにちょっとした楽しみを持ってもらえれば、
と考えたのですが、自分の子どもを連れてどこかに出かけると、楽しいと同時に結構大変です。あんまり
暴れたり、泣いたりしないでね、とかえって気疲れしてしまう方も多いかもしれません。逆に、ここでは
子どもが大声を出しても走り回ってもだいじょうぶ、とどんと構えている方もいらっしゃるでしょう。
マスコミの人たちのインタビューを受けて記事を見ると、「騒いでも全然かまわない」コンサートとして
紹介されていて、少しがっかりすることもあります。ちょっとニュアンスが違うのですが、説明するのは
難しい。
たぶん市の映画鑑賞会では、あまりうるさいことを言うとお客が減ってしまうのでしょう。普通の映画館なら、
確かに食べたり飲んだりしながら映画を見ています。でも市民会館は飲食禁止のきまりのはずです。
そして、これが一番悲しかったのですが、私は、プロであろうとアマチュアであろうと誰かが一生懸命
演奏しているときには、一生懸命聞くべきだと思ってきました。せめて、最初の演奏の間だけでも食べたり
飲んだりは控えましょう、とアナウンスを入れることはできなかったのでしょうか。川口市民会館は
すばらしいホールです。かつて中村紘子さんらが録音にも使用なさいました。私もコンサートを聴きに
何度も足を運びました。「リリア」ができてから影が薄くなっていますが、このような施設は、みんなで
もっと大切に使っていかなければと思います。それは、出したゴミを散らかさずに袋に入れればよい、
といった問題ではないはずです。
おとなの「一生懸命聞く」と子どもの「一生懸命聞く」はずいぶん違います。ミニコンサートは、
子どもの「一生懸命聞く」を大切にしてあげながら、多くの人に楽しんでもらいたいと考えてきました。
同時に、音楽の中身は思わず聞き惚れるような高い水準にしたいとも思いました。しんと静まりかえった
気詰まりなコンサートではない、あたたかいコンサート。でも具体的にはどうすればいいのか、
どうすればお客さまに来ていただけるのか、どうすればみんなが和やかに聴けるのか。最近は少し悩んで
います。「赤ちゃんと一緒に聴けるコンサート」という名前が一人歩きして、内容はなかなか満足のいく
ものになりません。ぜひ、実際にご覧ください。そしてご感想・ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
私たちのひとり相撲ではない、みなさまにこんなコンサートが聞きたかったと言っていただけるような
コンサートにしたいと切望しています。

 

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