たかが休日、されど休日

                         1999.1

来年から、「成人の日」は1月の第3月曜日に、土曜日が休みだとすれば3連休、
というおいしい?週末が増えるそうです。そのような案が出てきたとき、
新聞などでも働き過ぎの日本人がまとまった休みを取れるほうが喜ばしい、
経済効果も期待できるという論調が一般的だったようです。
一度だけ、大学などで、月曜日の講義日数が他の曜日と著しく異なってしまうのを
指摘する記事を読みましたが、ほとんどの方がこの法案に賛成だったのでしょうか?
ピアノの個人講師としての立場から言うと、これはけっこう困ります。
日曜日の祝日が振り替え休日になって以来、月曜日は他の曜日と比べ、極端に
レッスン回数が減りました。以前は旗日も平日も無関係だったので、私はレッスン
できますよ、ということで都合のつく生徒だけ教えたりもしていましたが、子どもが
生まれてからは、カレンダー通りに休みになる子どもに合わせ、なるべくお休みを
いただいています。実際には、生徒のほうでも休日は家族との用事が入ることも多く、
祭日をレッスン日に当てても開店休業になることもあります。せっかくのお父さん・お母さんの
お休み、みんなで過ごしたいのは当然のことと思います。公立の学校で第2・第4土曜日が
休みになってから、土曜日のレッスンを望まない家庭も増えてきています。
さて、ピアノの先生はどなたも、どの曜日に来る生徒でも年間を通じればほぼ同じレッスン
回数になるよう、苦労なさっていると思います。私も、演奏の仕事が入ったらごめんなさい、と
あらかじめご了承をいただいてはいますが、なるべく休まず、月3〜4回のレッスンを確保
できるよう、それなりに気をつけています。そんな中で、これ以上月曜日が休みになるのは、
う〜ん、本当に困る話なのです。
そもそも、土曜日が休みだとして、3連休が本当にそれほどすばらしいのか、私にはよく
わかりません。もちろん、休みが多い!ということは、それだけでうれしいと思います。
でも、3連休が増えたからといって、泊まりがけの旅行にそうそう何度も行けると思えません。
たくさん休んだあとで、保育園に行きたくなくなっちゃう子どもと戦わなければならない人も
いるでしょう。ゆとりは、日々の課題を順調にこなして定期的に休む、ということにも、
一定のペースを保つことにもあります。たくさん休むためにまとめてオーバーワーク
するのは、かえってたいへんです。
日頃がんばっている自分へのご褒美のように、週の半ばにたまにぽつんと休日がくる、
それもけっこう気に入っているのですが。
いずれにしても、休日の取り方・過ごし方はさまざまです。平日が定休日だけど
カレンダー通りがいいなあ、と思う人もいれば、どこへ行っても混んでるから平日に
休みたいなあ、と思う人もいるでしょう。ミニコンサートも、「日曜日は主人が休みなので、
平日にお願いします」という人、「みんなで行ける休日にしてください」という人、
いろいろです。
みなさんは、どう思われますか?

             事後報告       2002.12.29

今年度から、公立学校での土曜日全休が実施されました。
来年から、月曜日の休日はさらに増え(海の日とか)、もはや月曜日は
仕事と学校の日ではないようです。
日本は、教育よりも、観光地の経済問題を大切にするところなのです。
「カラフルなピアノレッスン」の♪先生も、「今年の2学期、土、日、月の3連休が
たくさんあって、忙しい平日、イベントな休日という流れの中、継続的なピアノの練習が
難しくなったかも」というような内容を書いていらっしゃいました。
自分の子どもたちを見ていても、ウィークデイの忙しさは増し、せっかく生活のリズムが
定まりそうになるとたくさんの休み、という繰り返しで、親子共々アップアップのような
気がします。うちの場合は、レッスンに適さない日が増えると、レッスンできる日の
我が家の生活時間を圧迫するので、その点でも???です。
いずれにしても、にわか勉強したら他の日はさぼってもよい、というのは、継続的に
学ぶべき楽器の練習や、積み重ねが大切な基本的な学習には向きません。
それを休日にも、家庭で把握し、管理することを望まれているのでしょうか?
成長過程で、いろんなことを学びながら大きくなっていく子どもたちにとって、
何が本当のゆとりなのか、おとなは真剣に考えているのでしょうか?
確かに、この話題になると、私は怒りで少々熱くなってしまいます。

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