ひとりひとりのエンゼルプラン

                       2000.6

昨年の出生率(合計特殊出生率)が「1.34」と過去最低となったそうで、
テレビや新聞でも論議のかまびすしいところです。子どもがいても働き続けることのできる社会、
子育てを支援するサービスの充実、住宅対策などを盛り込んだ「新エンゼルプラン」も
策定されたようですが、効果のほどはどうなのでしょう。
産休・育児休暇の確保は何よりも必要でしょう。赤ちゃんを産んでも仕事を辞めたくないと
いう気持ちと同時に、小さいうちだけでもしっかりと面倒を見てあげたい、というのも
多くの人の望みでしょうから、眺めの育児休暇を取れて職場復帰できるのはありがたいことです。
私には、朝7時半から夜10時までといった長時間にわたる託児施設での保育が、
必ずしも子どもの立場に立ったものとは思えませんが、現実的に抜けることのできない
重要なポジションで働くお母さんにとってはやはり必要かもしれません。
子育てに疲れたお母さんが息抜きできる場所や育児サービスも確かに大切です。
でも、考えてみれば、運よく赤ちゃんを保育園に預けて働くことができても、送り迎え、
保育園で使う山のような着替えやタオル・オムツの洗濯や準備、さらには家事をすべて
女性が自分の役割として担い続けるのでは、早々にギブアップせざるをえません。
どんなに行政サービスが進んでも、打たれた手の赤ちゃんが夜泣いて起きれば、面倒を見るのは
親の仕事です。一晩に何度も起きてぐずる赤ちゃんにへとへとになったとき、「うるさいから
泣かせるな」と追い打ちをかけられるのと、せめて5回に1ぺんくらいは代わりにオムツを換え
ミルクをやってくれるのとでは、地獄と天国くらいの差があります。
女性が子どもを持つことを選択するには、制度の充実よりも、やはり男性の意識改革が
不可欠のような気がしてきます。お役所が何をしてくれるか、よりも、隣にいるパートナーが
認めてくれているのか、どう関わってくれるのか、のほうが、ずっと大事だと思いませんか?
睡眠時間を削ってふらふらになりながら、思わずいらいらするときだって、悩み事相談を
してくれる電話より、すぐそばにいる人の「君はがんばっているよ」「交代してあげるから、
少し休んだら」という一言のほうがうれしいのでは。「夫は仕事が忙しくて、とても
家庭どころじゃない」のは本当かもしれないけれど、手を貸せないことと、気持ちを
かけられないこととは違うと思います。忙しいからと子育ての面倒な部分から目を背けて、
社会に責任転嫁しているような気がするのは私だけ?だって、二人の間の子どもなんですよ。
これだけ贅沢で楽しい世の中になって、育児中の女の人だけが多くのことを我慢して、
無理し続けなければならないはずはありません。ただ、育児にはどうしてもがんばらなければ
という時期があって、それを苦しいとしか感じられないか、視点を変えて楽しいこともあると
思えるかには、隣で支えてくれるはずの人の姿勢が大きく影響すると思うのです。
「女性の最大の味方は、一番近くにあるあなたなんですよお!」と、
声を大にして言いたいのです。
もちろん、子育てや家庭のことに協力的なお父さんも増えてきました。
私の周りでも、保育所の送り迎えから、休日の子どもとのスキンシップ、日常的な
子供の世話などに、積極的に関わっている方がたくさんいます。
うちですか?よくやってくれるほうだと思いますが、出生率の3倍も子どものいる
わが家としては、もう少し参加してくれると助かるなあ。
う〜ん、75点くらいかなあ。

         事後報告    2003.1.19

以前に書いた「すてきなパートナーシップとは」と重複する部分の多い文章ですが、
けっこうしつこく言いたいことなのかも。
私は、意識の平等が、作業の平等とイコールだとは思っていません。
だからこそ、男性諸氏、もう少し奥さんのことを思いやるというよりも、
奥さんの気持ちになってみてよ、という感じです。

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