にほんごであそぼ

                 2003年11月

今年四月の番組改編で、NHK教育TVに「にほんごであそぼ」が
登場しました。今まで、日本人なのに「えいごであそぼ」があって
「にほんご」がないのは絶対変だと思っていたので、バンザイでした。
この番組を企画し、実現したプロデューサーはなかなかスゴ腕だと思います。
野村萬斎さんをはじめとする豪華な出演陣が話題になりましたし、
「ややこしや」のブームもありましたが、それだけでなく、子どもたちは
自然体でこの番組を楽 んでいるようです。
 「にほんごであそぼ」には、歴史的な名文がたくさん出てきます。
この番組がなければ、中学以降の国語の授業で初めて出会うような文章です。
もちろん子どもたちはこれらの文章を知りません。
言葉の意味も、全体の内容も、おそらくはわかっていないでしょう。
でも「これ、わかんな〜い」とチャンネルを変えたりせず、逆に10分間
釘付けです。子どもの興味を引くたくさんの工夫をしていますが、
基本的には原文です。子どもは「知っている」から面白いだけではなく、
「知らなく」ても、言葉のひびきやニュアンスを感じて楽しんでいるのです。
時代を越えて親しまれてきた名文を子どもに伝えていく。
「わからせる」ためでなく、「触れる」「感じる」ために作られた番組なのだと
思います。うちでも、5才の末っ子と親子で見ています。
文学作品だけでなく、各地に残っているわらべうたや子どもの遊びも
紹介されていて、同じ遊びでも全く違う歌だったり、おとなも「へえ〜」と
思ったりします。
高校時代に必死で暗唱した平家物語を、遊び感覚で一緒に復唱したりします。
 
 コンサートのアンケートで、よくいただく代表的なご意見に
「子どもが知らない曲でも、思いがけず集中して聞いていました。」と
いうものと、「もっと子どもの知っている歌などを増やしてほしい」と
いうものとがあります。両極端なご意見ですが、「音楽のおくりもの」を
「クラシックコンサート」ととらえるか、「キッズ・ミュージックの
コンサート」と考えるかで、ご希望も変わってくるような気がします。
私たちとしては、最終的には「クラシックコンサート」で感動して
もらえたらと思っています。
「はじめて」を応援するコンサートですから、あまりにも難解だったり
長大だったりする曲はもちろん選びません。
ポピュラー音楽だって私たち自身が楽しみながら演奏します。
「クラシック以外の曲を弾くなんて邪道だ」とは、決して考えません。
でも、曲名や作曲家名が知られていなくても、聞けばその美しさが
心に沁みるはず、と思う曲を選ぶことはあります。
おとなの心配をよそに、子どもの耳は意外と柔軟ですし心も開かれています。
リラックスして集中して耳をすましてくれれば、音楽の美しさは
きっと心に届くと信じているのです。
そうしてまた、そんな音楽は、
お母さんやご年輩の方の耳にも優しいはずです。

「知らない」から「聞かない」ではなく、
本当にすばらしい音楽を全部丸ごと楽しんでもらいたい。
受け継がれてきた文学を新しい息吹で子どもに伝えるのが
「にほんごであそぼ」なら、
受け継がれてきた音楽を楽しく伝える「音楽のおくりもの」になりたい、
と思っています。

NHKの「にほんごであそぼ」のページでは、番組と同じカルタで遊べます。
ちょっと楽しいですよ。にほんごであそぼ


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