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マイ・リコーダー

                   2004.1

日本の小学生は3年生になるとソプラノリコーダーを習います。
アルトリコーダーを習う中学校は一部のようですが、小学校のソプラノリコーダーは
ほとんど全員が体験すると思います。習い始めの子どもたちは本当に楽しそうです。
吹いたら音が出るだけでうれしい。指で押さえる穴を変えると音が変わるみたい。
集合住宅だと、初夏に習い始めるころ陽気もよくなるので、学校から持ち帰って窓を開けて
練習している音がかすかに響いてきたりします。
 ところでこのリコーダー。たいていの学校では2年生の終わりか3年生になりたてのころ、
注文用の封筒を持ち帰ります。学校で申し込むと、その子の名前を刻み込んでもらえます。
私も旧姓を彫り込んだ古いリコーダーを持っています。
うちの子どもたちはそういう年頃になると父親から「はい。」と手渡されているので、
名前のついていないリコーダーを使っていますが。

以前、小学校の懇談会でこのリコーダーの購入の説明になったとき、一人のお母さんが
「下の子にも使わせたいので、名字だけにしてもらえますか?」と聞きました。
私は心底驚きました。リコーダーって、一人1本持っているものだと信じていたのです。
でも考えてみれば、学用品は使わなくなってから次の子の番がくるとお古を持たせたりするんだから、
リコーダーだって例外ではないかもしれない。小学校3年生で持つリコーダーを中学校でも
使う場合は7年間だから、それを重ならないようにできるならお古だって困らないでしょう。

「魔法の笛吹き」コンサートでは、毎回合奏のコーナーを設け、
お客さまにも演奏で参加していただいています。
習い始めの小学生にも人気ですが、実家のがらくたの中から見つけてきました、
というお母さんもいらっしゃいます。私たちも当日会場に余分なリコーダーを用意して
お貸ししたりします。お母さんと吹いている子どもは本当に楽しそうです。
押入の奥にしまい込んでいた方も、結婚するとき持ってきたはずだけどどこかしらという方でも、
探し出してちょっと吹いてみるとリコーダーはすっぽり手になじみます。
「笛の音楽隊」というコンサートになると、地域の中で募集したメンバーが練習を重ねて、
コンサートでは「ル・ヴァン・ファントーム」と共演します。
子どもばかりかと思いきや、おとなのかたがたもたくさん参加してくださいます。

各自が自分のリコーダーを持っていて、なにかのおりに音を出す。
ひとりでも親子でも、グループでも。気軽にに楽しんでいただけるといいなと思います。
しばらく前、NHK教育TVでも、リコーダー奏者の吉沢実さんがおとなのリコーダー合奏の
番組をなさっていました。子どものおもちゃと侮るなかれ。
リコーダーが活躍していた古い時代の音楽から、当世流行の曲まで、
どんな曲でも演奏できる、奥の深い楽器です。

以前にも書きましたが、女優の真野響子さんはリコーダーを持ち歩いて、撮影の合間にも、
好きなメロディーをこっそり吹いたりなさるとか。
そんなふうに「マイリコーダー」を使って音楽に親しんでいくのは贅沢ですね。

事後報告

初めての「笛の音楽隊」だった茨城県岩井市の「音楽隊」は
その後もコンサートの機会を作り、サークル活動として何年も合奏し続けています。
昨年コンサートをした栃木県二宮町の「音楽隊」は、続けて練習を重ね、
この3月に予定している茨城県玉里村の音楽隊(こちらは3回目の公演です)に
賛助共演することになりました。
リコーダーの魅力にとりつかれた人たちが増えていくようで、
本当にうれしいことです。
あ、うちの生徒さんたちの発表会でも、毎回リコーダー合奏を取り入れています。
けっこう楽しそうです。

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