どうしてピアノを習っているの?

 

当たり前ですが、毎週宿題の曲をきちんと練習して、とりあえず弾けるようにしてくる
まじめな生徒さんにはこの質問は無用です。私は曲がりながらも、クラシック音楽を
教えてあげたいと思っているので、私の出した宿題の曲は無視して(場合によっては故意に楽譜を
「忘れたり」)練習しなかったり、全然別の歌謡曲(いやはや、なんだか古い言い方ですみません)
やポップスを弾いてきたりすると、ちょっと「う〜ん」という気分にはなります。

でも、視点を変えると、生徒もその親御さんも、私に「ピアノの弾き方」を習おうと思って
通っていても、「クラシック音楽」を習うつもりじゃないのかもしれない。
おとなのためのポピュラーピアノ教室はあるけれど、小さい子どものためのそれはめったにないし、
第一普通にピアノを習っている子だって、はじめは「メリーさんの羊」だったり「チューリップ」
だったり、これはクラシックじゃないけれどかまわなくて、「WAになっておどろう」は困る、
というのも、こちら側の一方的な見解なのかもしれません。音楽に境界線を引くのは
よくないとも思っています。ピアノを習って、ソナチネとかソナタとかが弾けるようになったら、
その技?を駆使してお気に入りの曲をひく・・・その曲がクラシックであろうと
流行りの曲であろうと、それが目標達成であるのは確かです。

とはいえ、やはり私は「ピアノの弾き方」と同時にクラシック音楽の美しさや楽しさも伝えたい。
バロック時代の小品(メヌエットやブレとかいった短い曲)は本当にきれいだと思うし、そんな曲を
小さいうちから有無を言わせず練習させる(?)ヴァイオリンのレッスンが少々うらやましい。
そもそも最近の子どもたちは、巷にこんなにたくさんの音楽がひしめいているのに、クラシック、
それもピアノの名曲なんてほとんど知りません。知らないものを好き、と感じるわけがない。
こんな曲もあるよ、あんな曲もあるよ、と紹介するのも大切ですね。レッスンに来たらただピアノを
弾いてもらうだけじゃなくて。

ちょっとしたソナタなどを弾けるようになってからがピアノの醍醐味だとも思えるので、生徒には
いろんな時期を乗り越えて、何とか高校生くらいまでは続けてほしい。そのために、本人の希望も
取り入れつつ、クラシックを演奏するに足るしっかりした力をつけていってあげたいと思っています。

ピアノを習う人たちの意識や価値観が変わってきているのだから、当然先生の考え方にも柔軟性が
求められます。こちらの目的と生徒さんの目的が違ったとしても、双方気持ちよくレッスンしながら
それなりに進んでいく。そのためにもいつまでも勉強だなあ、と痛感するこのごろです。


 

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