レッスンのお値段

時々配られるタウン情報誌の一行広告を見ると、「ピアノ教えます。幼児4,000円から」とか
「月謝5,000円」という先生がけっこういらっしゃいます。この地域でダントツの高い月謝を誇って
いた楽器店でも、導入の時期の月謝を以前より下げています。となると、うちってものすごく高い
月謝を取るお教室になってるじゃありませんか!前述の先生たちの倍くらい!私のまわりでは、
月謝なら7,000円くらいの方が多いようです。レッスン時間が40分だと思えば、時給はそんなに
変わらないの ですが、結局いくら払うの、と言われるとやはり高い。実際、ピアノ教室が
主人の会社になっていて、個人経営より電話するのが気楽、ということからか、いろんな問い合わせが
きますが(ピアノの先生の選び方を教えてください、とか)、「○○楽器とかお宅って、高いじゃない
ですか。近所の先生だともっと安く教えてもらえるんですけれど、どこが違うんですか?」
と言われたりします。
およそ30年前、私のピアノの先生の月謝が5,000円でした。ごくごく普通の町のピアノの先生
でしたが、熱意あふれるご指導で信望が厚く、5、60人の生徒を抱えていたような気がします。
ごく普通の人たち(趣味で習っている子どもやおとな)が、プラス発表会の積み立て、という月謝を
払っていたのです。それでは、ピアノの月謝って、30年間でほとんど変わっていないのでしょうか?

もちろん地域差というものもあって、一概に論ずるのは乱暴だと思います。まわりの相場からみて
今以上はもらえない方、結婚してご主人の扶養家族だから、収入が多すぎないほうが助かるという方も
いらっしゃるでしょうし、子育て中で迷惑もかけるから、なとの理由でたくさんはとれないわ、
という場合もあります。確かに、30分5,000円でも一月4回として時給にしたら、
一般のパートよりずっと割のいい仕事です。

私が考えるのは、安いのはけしからん、とか、困るわ、ということではなくて、音楽の先生を
するからには、教えることが、生徒と向かい合う30分(私の場合は40分)で完結しない、
ということなんです。 充実した30分を生徒と過ごすために、それなりの準備や研究が必要だと
思うのです。教材選びにしたって、自分が楽譜を買ってみていろんな曲を調べたり、CDを購入したり、
時間も費用もかかるのじゃないでしょうか。例えば、学校の先生は1日中授業をしているわけでは
ないけれど、教材研究や授業の準備に必要な時間も勤務時間として認められていたり(もっとも
最近はそういう時間が減らされていて、先生たちもたいへん、という話もありますが)、
大学なら研究日もあったりします。先生が授業を行うにあたっての仕事は「研究+準備+実際の授業」
だということです。

新しく出た楽譜を1冊も知らずに、ただ昔自分が使った楽譜で生徒を教え続けるのはちょっと悲しい気が
します。いろいろ考えた結果、その楽譜を使うのならいいのですが。実際、評判のいい先生は教材研究も
熱心です。月謝は安いほど喜ばれるかもしれませんが、よりよいレッスンのために使う時間と費用を含んだ
レッスン料をいただく。そんな当たり前のことが、価格崩壊の流れからか、以前より難しくなっている
のも事実だとは思います。

やはり、レッスン料の問題は難しい。ここで論じているのは、専門に進みたい人に高度なレッスンをする
先生のことではなく、あくまで「町の先生」として教えていらっしゃる方の場合です。ヴァイオリンなら
希少価値でもう少し高い設定でもだいじょうぶなのでしょうか?できるだけたくさんもらいたい、
というのではなく、リーズナブルな価格設定はどのくらいなの、という疑問でもあります。
みなさんのご意見を伺いたいところです。


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