楽譜が読めない!!

     

始めてピアノを習いに来る子どもには、私はまん中のドから大譜表で音符の読み方を教えていますが、
いつまでも覚えられない子がいます。音符カードやワークブック、プリントなど駆使しても、
まん中のドからのドレミファソさえ半年経ってもすらすら読めない。
困りますよね。先生のほうも。もっともっといろんな曲をあげたいのに、自分の力で読めない。
他の子と同じようにおけいこしていても、とびぬけて?モノ覚えが悪い(ごめんね)。
でも、一番困っているのは、本人なんでしょうね。先生の言うこともちんぷんかんぷんで。


こういう、頭の中での音符の回路がつながりにくいお子さんの場合、
どうしてもお母さんの協力が必要になってしまいます。なんとかしてあげたいと思うのですが、
週に1回のレッスンでは、繰り返してあげたくても限界がある(時間の余裕があれば、
1回のレッスン時間を短くして、落ち着くまで週2回にもできるけれど、最近はお互いの
予定もなかなか合いません)。音符カードで毎日練習してね、と言ったところで、がんばらなきゃ
ならないのはお母さんです。「あ、これうちの子のこと」とあせっているお母さん。
でも、楽譜が読みにくいことは、音楽的に貧しいこととはまったく違います。楽譜に書いてある
ことを音にできないだけで、弾けるようになったときにはなかなか味のある演奏ができたりも
します。ただ、「読めない」から「進まない」と指を動かす量が増えにくいので、指を早く
動かしたりするのが苦手になりやすいかな。だから、ヴァイオリンでは「鈴木メソード」が
あんなにも普及して、楽譜が読めなくてもとりあえず耳で聞いて楽器を弾く、という方式で
弾くトレーニングをするんでしょうね。いかがでしょう、ヴァイオリンの先生方。

楽譜が読めない原因は2つあると、私は思います。

1) 2つの形の「同じ」と「違う」を判別・区別する能力が未発達。
 2) 楽譜では音の高さと音符の位置の高低がリンクしているという概念が
足りないこと

もう一つ、音楽の時間の流れが楽譜においては左から右へと表現されているという概念の不徹底も
あるかと思いますが、これは早晩解決しますよね。これらのことをごく自然にクリアして、
どんどん進んでいけるお子さんもいますが、ここらへんでつまずくとかなり出遅れてしまいます。
自分ではわからないから、レッスンの時先生から聞いた音を必死で思い出して練習するか、
お母さんが教えてくださるのを丸飲みするか(すらすらできないと叱られそうで、ちょっとかわいそう)、
わからないからと練習そのものをサボってしまうか。けっこうアブないのは、
お母さんが必死に教えこんでレッスンに臨むので、先生はその子が楽譜を読んでいないってことに
気がつかないケースです。
初歩の子どもたちには、宿題に出す曲をドレミで歌わせたり、片手で弾かせたりしてから
帰すようにしていると、そこらへんはすぐわかります。

小学3年生くらいになると、どんなに「読めない」子でも一応のきまりはわかるので、
「わからない」というのは減りますが、でも、ある程度のスピードで読めないと、
楽譜を見ながら弾けないからいつまでも音名をふってみたり。そういえば、みなさんは
楽譜に音名をふるのをどう思いますか?私は、どうしてもドレミを書かないと弾けない子には、
自分で数えて書くならOK」ということにしています。10回弾いて10回ともつまずいて
その場で数えなきゃいけないのでは、繰り返して練習する意義も薄れてしまうし、
苦しすぎると思うからです。ついでに「鉛筆で書いてね」とも言う。間違った音名を
書いている場合、なおしてあげなくてはならないので。

                            
ずばり、「絶対スムーズに楽譜を読めるようにする方法」ってないのでしょうか?
やはり繰り返し続けることしかないかな、って思います。ただ、同じやり方だけではなく
いろんなアプローチから練習させる。はじめは言葉の「どれみ」の穴あき階段を作って、穴埋め
させたり(上りは得意でも、下りはさっぱり、という子もいる)、今度は音符の階段の穴埋め。
童謡や子どもの歌の4小節の楽譜を読ませて、曲名を当てさせたり(楽譜をドレミで歌うと、
何の曲かわからない子がたくさんいる)、同じく童謡のはじめの4小節中1小節だけ空けておいて、
音符を書かせたり。指定した音を楽譜から捜す「かくれんぼ」や、新しく出てきた音と
知っている音と2つか3つくらいの音の曲を作って読ませたり(よくある、まん中のドから音が増える
教材では、新しい音の場所がわかりにくいので)。声に出して歌う、手でリズムを叩く、
が基本だと思いますが、手を変え品を変えいろいろ試しています。
何が一番効果的かは、まだよくわかりません。

子ども自身が、音符を読んだら、それを弾いたらすてきな曲になる、と思えたら、
楽譜を読む意欲もわくのかな?

いずれにしても、ピアノの先生は、好む好まざるにかかわらず、初歩の生徒に対して、
楽典・ソルフェージュの先生であることが義務づけられています。
小さいときから習う人が多いからかな?鍵盤は、音の並び方がわかりやすい構造に
なっているからかな?
始めての子に、弾くこととと同時に音楽の読み書きを教えること。考えようによっては楽しいし、
考えようによっては面倒くさい。でも、その先にきれいな音楽があることを教えないテはありません。
楽譜=音楽ではないけれど、作曲家のメッセージがこめられた楽譜が
音楽への扉であることは確かなのですから。

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