合唱の伴奏

生徒が小学校も高学年になってくると、学校で歌の伴奏を頼まれることがよくあります。
ソナチネやソナタを弾ける子なら、あまり無理せずとも弾けるんですが、
のんびりさんでも引き受けちゃうんですね。そもそも、とてもよく弾く子に限って
「できません」と断ってしまったり、「ええっ!やるって言っちゃったの?」と
こちらが絶句するような場合に、本人はノリノリだったりするものです。

せっかくピアノを習っているんだし、こういうチャンスに伴奏くらい弾かせてあげたい。
でもでも、ブルクミュラーをのんびり弾いている子にショパンは弾けないように、
いくらなんでもそれは無理、みたいな曲をもらってきたりします。
音楽の先生だって、その子のピアノを聞けばわかると思うんだけれど。
中学校のいわゆる合唱祭の伴奏となると、クラスの中で指揮者や伴奏者を決めるので、
音楽の先生は不在、生徒と担任の先生だけで選考したりするし。

合奏の伴奏って、けっこう新しげな音が多かったり、難しいものです。
教本の曲と違って、弾き手の能力に合わせた音の並び方でもないし。
でも、引き受けたものを弾けません、と断らせるわけにもいかない。難しい楽譜なら、
少し音を減らして弾きやすくしたり、可能なら全く書き換えて渡したり。
とにかく練習や本番に間に合わないと困るので、とりあえず譜読みをしている間、
私は宿題の曲も減らしてレッスンでも重点的に伴奏の曲を弾かせます。
子どもによっては、ピアノの先生には報告せず自力で弾いている子もいますが、
それでレッスンの曲に支障がなければOK、もし手が回らないのであれば
声をかけてほしいなあ、と思っています。
ピアノの先生の中には、「そんな余分なものを引き受けて、宿題の曲がおろそかに
なるのは困る」とお考えの方もいらっしゃるようです。先の目的があったりすると
そうかもしれませんね。

時々私がひっかかるのは、本当に弾けなくて、ひたすらくちゃくちゃあわてて
指を動かしているだけになってしまう伴奏をもらってきて、学校の音楽の先生も
それでかまわないと思っていらっしゃるような場合です。
違う音、違うリズムで平気で弾いて、とがめられもしない。
ピアノの楽譜にはたくさんの音があるから、それを100%正しく弾かなくても
許されるかもしれませんが、明らかに楽譜と違うというのはどうなんでしょうね?
なんとなくこんな雰囲気で弾いていればいい、っていうことでかまわないの?
例えば、算数の計算問題で、答えは356だけれど、355なら近いから
だいたい合ってるよ、なんてありえないと思うんです。1であろうと0.1であろうと
間違いは間違い。漢字だって、「止め」とか「はね」が違ったら、それは×でしょう。
なのに、これが音楽になると「だいたいでいい」というへんな常識?がまかりとおる。
楽しむことが大事な「音楽」かもしれませんが、アバウトを通り越して
「異なるもの」になっては、やはりまずいと思います。
始めにピアノを習うとき、四分音符は1拍、二分音符は2拍だよ、ときちんと数えて
教えていたはずのものが、音符が増えてややこしくなったからと、
「堅いことは言いっこなし」になってしまうのは、なんだか割り切れないのです。

学校などでの伴奏のチャンスを活かして、ピアノを習っていてよかった、と
子どもも親も満足できるのはすばらしいと思っています。
歌と一緒に弾くことが、とてもいい経験だとも思います。
だからこそ、(少しの背伸びは必要としても)その子の力に合わせたチャンスに
してあげたいと考えるのです。きちんとやり遂げた達成感を
感じてもらいたいのです。

みなさんはどう思われますか?


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