ピアノを教えていて、けっこうつまずきを感じるのが、4の指です。つまり、薬指。
誰でもはじめは、あまりこの指を使いたくないものです。
初級のトンプソンとかグローバーにはことさらに、この指から始まる曲が出てきます。
まずは、そこで、4の指から逃げることなく、しっかり丸くして弾くところから始めます。
とにかくアレルギーを感じずに、他の指と同じように、「4」と見ればこの指を動かす、
ということを学ぶのがこの時期でしょう。
ここがクリアできれば、たいがい順調に進むのですが・・・
                        

4の指がきちんと使えないと・・・
まず、音が揃いません。4の指が苦手な子は、手のひらを丸くして弾くのも苦手です。
3と4と5の指が全部くっついてしまっていて、いつまでも独立しないことが多いようです。
そして、何と言っても困るのが、アルペジオです。右手でミソドミと弾くときに、
楽譜に1245と書いてあるのに、どうしても1235と使って弾く子。
小さいときから指番号を守って弾いていれば、たいへんでも4を使おうとするんですが、
なんとなく自分の好きな指で練習しちゃう子って、レッスンの時なおしても、家で練習
した指から変えられず、そのままになりやすいんですね。
「アルペジオは、和音を弾くときに1番自然に弾ける指で」と言うんですが、
そもそも和音だって無理やり4を避けて押さえようとする。
当然ながら、音は外れやすいし形も崩れる。
4の指はとにかく避けられ、使われる回数が極端に少ないので、
いつまでもふにゃふにゃのまんま。

誰だって4の指は弱いし、力強い3の指に代わりをつとめてもらうほうがラクチンな
気がするらしい。限りなく4を使わずに弾いている子っていますね。
スケールを弾くときだって、すぐ3の指から1の指に飛ぼうとするし。
はじめから教えていた子には、ほとんどいないのですが。
                                  

小さいときからスケールをきちんと弾くこととか、345あたりを使った
指の練習を積んで、なるべく4の指アレルギーをなくしておく必要がありそうです。
バーナムのピアノテクニックには、早い時期からアルペジオを両手で弾く形が
出てきます。当然ながら、みんな苦手。特に、ドミソドと弾くのに、右手は1235、
左手は5421というように、両手の指使いが違ってくるのがたいへんなよう。
でも、片手ずつでもいいから、この形にしっかり慣れて欲しいですね。

4の指の独立は、先にも書いたように、手の形にも深く関係します。
4の指が苦手な子は、そこらへんから手のひらがぺちゃっとつぶれやすい。
そうなると、いつまでも手のひらや手首から押したりする力でしか音が出せないので、
細かいパッセージが弾けません。

私は、初期のころから、音の大きさには目をつぶってでも(従って、曲の強弱にも
あまりうるさいことは言いません)、 第3関節、つまり手のひらと指とがつながっている部分を
でっぱらせ、指を動かして弾くように指導します。
その際、手首にも肘にも力が入らないようにするのは言うまでもありません。
指先の第1関節がひっくり返ってしまう子もよくいますが、これは注意しても
できないものを無理やりその場でなおさせるということはしていません。
そのかわり、毎回毎回必ず注意します。つまり「本来はこういうかたち」というのを、
たたき込んでおきたいので。第3関節が持ち上がるようになると、
自然に第1関節も丸くできる気がしますし、指の独立も進みます。4の指だって
使いこなせるようになります。
これには、その子の手の発達の具合もかかわってきますが。

先生によって、指導する順序はいろいろあると思います。
でも、基本は「第3関節を出して弾く」「指を動かしても、手のひらが
その一つ一つに反応してぴこぴこ動いてはいけない」ことだと思っています。
手のひらの(上下の)ゆっくりした動きを、フレーズを作るために
(常にリラックスした状態で)取っておきたいのです。

小さい子にテクニック、それも弾き方を指導するのは、どの先生にとっても
たいへんなことだと思います。
音符を読んでその音を押さえるだけではだめなんですから。
指の発達は本当に人それぞれなので、一人一人の成長に合わせて
的確に教えていってあげたいと思っています。
あとから180%方向転換してやり直したりしなくてすむよう、
間違いを覚えこませない、というのも大切だと思います。

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